世界中の医療関係者が注目!!

西洋医学との統合医療に積極的に導入される「ヨーガ療法」

 ヨーガ療法はインド中央政府科学技術省公認の研究機関が心身症の治療目的に、インド古来の伝統ヨーガを100年近くに渡って生理学的研究や臨床研究をしてきたものです。欧米からインドに直接学びに来ている医師も多く、ストレス過多の現代社会の中、全世界規模で予防を含めた医療に組み込まれてきています。

 日本においても(社)日本ヨーガ療法学会と(財)島根難病研究所とが、ヨーガの呼吸運動がナチュラルキラー細胞の活動の活性化を促すことを示す研究結果を残すなど、国立の学術機関とも協力し、科学的な裏付けを示すための研究を進めています。

ヨーガとは

 体操や呼吸法、瞑想などを行いながら心のあり方を見つめることで肉体と精神を調和させ、心の働きをコントロールし、完全に健やかな状態を作り出す自己訓練法です。ヨーガの智慧が身に付くことで、外界から受けるあらゆる影響に惑わされることなく心身共に平静が保たれ、自らが持つ力が最大限に引き出されます。よって人々が人生をより良く生きるために非常に大きな助けとなります。

 ヨーガの体系は古代インドの宗教観やインド哲学の思想とも関わりが深く、インドの人々の生活に密接に結びついてきました。しかし、ヨーガの智慧はある意味高尚で一般の人には伝わりにくいとされ、教えは主に師から弟子へ口承で伝えられるものであったため、容易に国外へ持ち出されることはありませんでした。それが、19世紀の終わりに「スワミ・ヴィヴェーカナンダ」大使によるシカゴでの世界宗教会議での演説によって欧米を始め世界各国で注目されるようになりました。

ヨーガ療法とは

 伝統ヨーガを学術的な生理的研究や臨床研究をすることによって、その医科学分野での有効性を証明したものがヨーガ療法です。その研究は、1920年創立のインド「カイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所」において、心身症等の治療を目的として始められました。その後インド国内では大学にヨーガ学科の設立が始められ、今ではその数が30校を超えています。そのうちの一つであるスワミ・ヴィヴェーカナンダ研究財団の教育部門はインド中央政府より大学院大学として認定を受け、修士号、博士号が取得できるようになりました。ヨーガ療法は欧米をはじめ西洋医学との統合医療に積極的な世界中の医療関係者、特に心身医学や精神医学の専門家が注目し、その導入を始めています。

ヨーガの歴史

 インダス文明の都市の一つであるモヘンジョ・ダーロの遺跡の中からヨーガ行者らしき姿をした人物像が出土。 以来、ヨーガは5000年の歴史を持つとする説があります。文献としては、紀元前1000年頃成立したウパニシャド(師の近くに座って授かる教え=奥義)の中に初めて、ヨーガが 「心統一」という意味で用いられています。

 その後ヨーガはパタンジャリ大師を開祖とする正統六派哲学の一つと数えられ、教典とされたのは「ヨーガ・スートラ」です。 ヨーガ・スートラは「ラージャ(王)・ヨーガ」の教典ともなっています。この中にみられるヨーガの 「智慧」を探求しようとする思想は、ゴータマ・ブッダを開祖とする仏教やサーンキア哲学とも類似点が多くみられます。宇宙の創造や成り立ち・人間の存在意識・人生における苦の意味や原因 それらから解放される手段を解明体系化するために、哲学との結びつきは必須であったものと考えられます。

 また、紀元前後に著されたバガヴァッドギーター(北インドの遊牧民ヤーダヴァダ族に起こる)には、 クリシュナ神によって4大ヨーガの中のカルマ・ヨーガ、ギャーナヨーガ、バクティ・ヨーガなど在家の教えが説かれています。この経典において、ヨーガの目的が心統一から「解脱の方法」に大きく広がっていきます。

 さらに時代が進んで、10世紀以降に体系化されたヨーガが「ハタ(力)・ヨーガ」です。ハタ・ヨーガの経典には具体的な体系が詳しく解説され、多種に渡る体操のポーズにおいては、 現代のヨーガの大部分がハタ・ヨーガの流れをくんでいると考えて良いでしょう。その他、伝統ヨーガの 一部に突出して行うマントラ・ヨーガ、クリア・ヨーガ、ジャパ・ヨーガ、クンダリ二・ヨーガ、欧米で体系化された パワー・ヨガ、ホット・ヨガなど現代のニーズに合わせたヨーガも注目されています。その中でヨーガ療法は、伝統ヨーガに基づき、1920年創立のインド「カイヴァルヤダーマ・ヨーガ研究所」において、学術的な生理的研究や臨床研究が重ねられた医療体系です。現在、心身症等の治療を目的として欧米をはじめ世界中の医療関係者が注目し、その導入を始めています。

日本におけるヨーガ

 日本に初めてヨーガが伝わったとされるのは、806年、唐より帰国した空海の時代にまでさかのぼります。その後、真言宗や天台宗の「護摩」、「阿字観」等の密教行法として、現在に続いています。禅宗の座禅も、ヨーガ・スートラに記されるディアーナと関連しています。

 また、昭和に入って体操に特化した健康法としてのヨーガが広まり始め、2000年代になってさらに急激に生活に取り入れる人たちが増えてきています。近頃流行しているヨーガは特に、アメリカ「ニューヨーク」のセレブたちの間で流行していたフィットネスタイプのものから影響を受けて、ダイエット、シェイプアップを目的に採用している人が大半でした。しかし最近では、伝統ヨーガの持つ精神性が注目を集め、上手な生き方の手引きとして学び始める人が増えています。

ヨーガ療法士の活動

 私たちヨーガ療法士は、3年から4年の期間をかけて、西洋医学の基礎知識を初め、ヨーガの教典で心の仕組みを学ぶ、体を使った実習を重ねるなど、人間を科学する方法を身に付けます。また同時に、多くの対象に実践を行い、症例を集めてまとめます。その症例は、ヨーガ療法学会が一年に一度開催する研究総会で、ヨーガ療法士の研修コースを終えた全国の資格者によって発表されます。研究総会は2011年を持って9回を数え、そこで発表される症例の数は毎回200~250を数えます。

WHO(世界保健機構)健康の定義

 「健康とは身体的、精神的、霊的(スピリチュアル)、社会的に良好な動的状態であり、単に病気あるいは虚弱でないことではない。」1948年設立時の定義が1999年に霊的、動的の表現が加えられて再提案。いまや完全なる健康は、人間の微細な部分の安定までが含まれて果されると考えられています。

西洋医学とヨーガの共同研究

 日本ヨーガ療法学会が島根難病研究所の亀井進先生と共に進めた研究「ヨガの呼吸運動による脳波の変化もたらす細胞免疫の賦活化」では、ヨーガの呼吸法を行う前後で血液を採取し免疫の細胞を調べたところ、ナチュラルキラー細胞の活動の活性化が起こるという結果が得られています。

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